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貧血は鉄分+αで防ごう!
Q.貧血とは?
A.全身にくまなく酸素を運搬しているのが、血液中の赤血球です。 赤血球の中のヘモグロビンが肺から酸素を受け取り、全身に酸素を行き渡らせています。 貧血とは、この赤血球の数が減少したり、ヘモグロビンの酸素を運搬する能力が低下してしまった状態を言います。 貧血にはさまざまな種類があり、発生原因によって次のように分類されます。 ヘモグロビンが正常時の40%以下になってしまうと、頭痛やめまい、耳鳴り、集中力の低下、不眠になります。 ヘモグロビンが正常時の30%以下になってしまうと、食欲がなくなり、吐き気やむかつきがあらわれます。
1.鉄欠乏性貧血
別名、小赤球性低色素性貧血とも呼ばれ、ヘモグロビンの合成に必要な鉄分の不足によって起こる貧血。
2.再生不良性貧
赤血球を作る場である骨髄が障害を受け、赤血球が十分に作られなくなったために起こる貧血。
3.巨赤芽球性貧血
赤血球を作るために必要なビタミンB12や葉酸が欠乏して起こる貧血。
4.溶血性貧血
種々の原因により赤血球が破壊されて起こる貧血。
5.続発性貧
癌、リウマチ疾患、寄生虫疾患、心臓病、肺疾患、腎臓病、肝臓病などの病気によって起こる貧血のこと。妊娠によって起こる貧血も含まれます。
Q.貧血の症状は?
A.軽度の貧血では、必ずしも症状はあらわれません。また、慢性の貧血は徐々に進行するため、自覚症状がない場合もあります。 貧血になると一般的には、顔色が悪く、まぶたの裏が白くなり、口の中全体の赤みが減ります。 ヘモグロビンが正常時の59%以下になると、体内の酸素を補うために、多くの血液を送らなければならず、 心拍数が増加したり、少しの運動で息が切れたりします。
Q.どうして貧血になるの?
A.貧血の中で最も多いのが鉄欠乏性貧血です。女性の2割、妊娠した女性の約半分が鉄欠乏性貧血と言われています。 その原因は、女性の場合には月経によるものが多く、子宮筋腫などの併発により過多月経になっている場合があります。 男性や閉経後の女性の鉄欠乏性貧血は、痔などの出血のほかに消化管の潰瘍や悪性腫瘍からの慢性出血の可能性もあります。 ほかに偏食や消化機能の低下による“鉄分摂取不足”、発育・成長・妊娠・出産・授乳などによる体内の“鉄需要の増大”も原因になります。 その他にも、激しい運動を日常的に行ったり、夜更かしや不規則な生活を続けていても貧血になりやすくなります。
Q.貧血を予防するには
A.1年に一度は市民検診などによる貧血のチェックをお勧めします。 貧血を認めたときには原因検索が必要なときもありますから近くの医療機関でご相談ください。 鉄欠乏性貧血の場合には鉄分の多い食品を積極的に摂りましょう。 成人男性は1日に約12~15mg、成人女性は15~20mgの鉄分が必要と言われています。 特に女性は、月経や妊娠、授乳のため、鉄分が失われやすく、男性よりも多くの鉄分が必要です。 鉄とともにヘモグロビンの構成要素であるたんぱく質や鉄分吸収を促進させるビタミンC、 正常な赤血球を作るために必要な葉酸やビタミンB12を鉄分とともに摂りましょう。
【鉄を多く含む食品】
牛・豚・鶏のレバー、かき・あさり・しじみなどの貝類、かつお、大豆製品、春菊、ほうれん草、小松菜、ひじき、プルーンなど
【たんぱく質を多く含む食品】
卵、肉類、魚介類、牛乳、乳製品、大豆製品など
【ビタミンCを多く含む食品】
ブロッコリー、さつまいも、小松菜、カリフラワー、赤ピーマン、芽キャベツ、キウイフルーツ、オレンジ、いちご、柿など
【葉酸を多く含む食品】
ほうれん草、ブロッコリー、アスパラガス、芽キャベツ、モロヘイヤ、枝豆、納豆、牛・豚・鶏のレバー、さんま・にしん・いわし・さばなどの魚類、かき・あさり・しじみなどの貝類、卵黄、チーズなど